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~AI Safety Institute~
2月14日に日本政府はIPAのもとにAIの安全性の評価手法の検討等を行う機関として、「AIセーフティ・インスティテュート」を設立しました。
IPAの中に設置されているのは、各国でのAIガバナンスやAIの安全性についての取り組みがサイバーセキュリティ機関で行われていることに足並みを揃えてのことのようです。
「AIセーフティ・インスティテュート」の業務は「安全性評価に係る調査、基準等の検討」や「安全性評価の実施手法、国際連携に関する業務事務」とされています。
日本政府が推進するアジャイルガバナンスでは民間が評価基準等を定めるような説明がされていたのですが、
国としての統一した評価基準が生まれるのか、今後の動きを注視しておきたいと思っています。
2月29日に東京未来ビジョン研究センターと東京大学大学院法学政治学研究科の共同シンポジウム「AIの知財とガバナンスの論点」が開催されました。
東京大学はAI政策について興味深いウェビナーやシンポジウムを開催されているので、この分野に関心がある方はセミナー情報を確認しておくと良いでしょう。
AIと知財(著作権法)の議論はとても難しく、なかなかすっきりした整理ができません。
文科省の「AIと著作権に関する考え方について(素案)」のパブコメには、なんと25,000件近くのコメントが寄せられており、関心の高さが伺えます。
LLMが普及したことによって直接影響を受ける人が増えたことが原因の一つなのでしょう。
「享受」しているかどうか、「類似性」があるという線引きはどこかといった点が論点となるようなのですが、
誰にでも理解できる線引きにはなっていないところが難しいところです。
AIの問題は知財だけではありません。
基本的権利、民主的価値、社会正義といった民主主義国家の普遍的な価値を堅持するためのガバナンス確保という視点も必要です。
私の周りではむしろ、AI倫理という文脈でAIガバナンスに関心を寄せる人が多い気がします。(欧米でも著作権の問題は取り上げられます。念のため。)
AIガバナンスの肝は、「実現したい価値を実現するための手段」であることです。
シンポジウムで指摘されていたように、ガバナンスは自転車のサドルと似たもので、
「固定したものではなくある程度の自由度をもって動くことで、行き先をコントロールするための司令塔」としての役割であることを覚えておく必要があります。
グローバルでは、人間社会を維持するためのアプローチとしてガバナンスが語られます。
この視点はとても大切です。
翻って、日本のAI政策のモチベーションはAI事業者ガイドラインに記載されている通り、
「少子高齢化に伴う労働力低下等の社会課題の解決手段として、AIの活用が期待されていること」にあります。
内閣府によると、
「総人口に占める65歳以上の者の割合(高齢化率)は、平成72(2060)年には17.8%にまで上昇するものと見込まれており、今後半世紀で高齢化が急速に進展することになる」
という状況が日本の現実です。
日本政府の気持ちを平たく言えば、「このままじゃ国が崩壊する。テクノロジーで回避できるのではないか。」と言った切羽詰まった状況でAI政策を行っています。
AIのようなテクノロジーを活用しないと日本社会が維持できないという理由が背景にあるからこそ、
積極的にAIを推進しているのであり、「リスクを抑え込めないからAIを使うのはやめておこう」という選択肢は、もはやあり得ないと言って良いでしょう。
そんな中で作られるルールには注意が必要です。
今、日本ではAIガバナンスの認証制度を作ろうという動きも出てきています。
その際、AIセーフティ・インスティテュートも重要な役割を果たすことでしょう。
AIガバナンスの認証は、AIを活用する企業であれば必ず導入せざるを得なくなると思います。
ただ、グローバル企業が注意しておくべきことは「日本の基準」は前のめりな基準であり、
より中立的な立場からの基準を提示しているものが国外にあるという視点です。
自社のスタンスとビジネス上の戦略を考慮したうえで、何に準拠するかを考えることが望ましいでしょう。
多様な情報を容易に入手できる時代だからこそ、自分たちの視点から最適な基準を選択していきたいものです。
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