2023/6/13★寺川貴也が注目する最新NEWS TOPIC★

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~フォーマリズムに向かっていないか~

私はコンプライアンス活動とは何かと尋ねられると、ビジネスが加速するために必要なブレーキを提供する活動と答えることにしています。

ブレーキが壊れた車で100kmの高速で走りたい人はいないでしょう。

スピードを出すことができるのはブレーキが正しく効くからです。

高速で前進するためには減速する仕組みが不可欠です。

 

コンプライアンス活動は手間がかかります。

責任者を定め、法規制を調査し、ルールを定め、毎週会議をしながら運用を行わなければなりません。

コンプライアンス活動を正しく機能させるためには責任者となった人がそれなりに勉強をする必要があるのですが、

勉強もまた、注いだ熱意とかけた時間、関心の深さで質が変わります。

一番マズイのは我流です。

英語で”Don’t reinvent a wheel.”という通り、既にあるgood practiceを素直に活用することが大切です。

組織の持つ地図が間違っている中PDCAを高速で回すと、組織は高速で失敗に前進するだけです。

コンプライアンスの責任者は、正しい地図を持っていなければなりません。

 

コンプライアンス活動でもアウトプットが求められます。

アウトプットは測定しなければなりませんが、測定しにくい、もしくは単年度では測定すべきでないものもコンプライアンス活動には含まれます。

たとえば組織内でのアウェアネス/文化の醸成といった活動は、「空気」でしかなく、数値化して追求しても明確に捕捉することはできません。

売上を気にしなければ会社が立ち行かない新興組織にはよくあることなのですが、マネジメント層がこの点を理解していない場合、コンプライアンス活動は形骸化します。

目に見えるアウトプットが偏重されるため、フォーマリズム(形式主義)が忍び寄るからです。

 

最近新興企業のCEOが米国議会でよく口にしていますが、

「ルールがないのが悪い」とか「ルールを守っているのだからうまくいかなければルールを作った人が悪い」という声が聞こえてきたら、

コンプライアンスの本来の意図を忘れている可能性があります。

ルールは、コンプライアンスの目的を達成するためのツールでしかありません。

コンプライアンスの目的は、製品サービスが意図する結果をもたらすことを担保することです。

 

ここ数年、日本の製造業で品質検査の不正が発覚し、ニュースとなっています。

設計や製造の現場では数多くのチェックシートが運用されています。

業種によっては、チェックシートの記録が多くて設計の仕事をしているのか報告書を作成しているのかわからなくなるケースもあります。

多くの場合、チェックシートの種類や項目が増えることはあっても減ることは稀です。

当然職員の仕事は増えるため、チェックシートは本来のチェックの機能を果たせず「作業」となりがちです。

これがフォーマリズムを呼んでいます。

日本の製造業は戦後経済をけん引してきましたが、ルールが合理化できていない側面もあります。

品質不正は、複雑になりすぎた運営と短期的な成果を求めすぎた結果といってよいでしょう。

 

私は、プライバシーマネジメントでも、同様のことが起こる可能性があると思っています。

プライバシーマネジメントを適切に行うには、管理可能なスピードでプロセスを経て組織を成熟させる必要があります。

経営層のプレッシャーを受けつつも、自分たちの組織に適した形で、基本に忠実に最善の行動をとるような舵取りをすることが責任者には期待されます。

目に見えるアウトプットを求めるあまりプライバシーマネジメントにとって重要ではない活動にリソースを投下してしまった事例を散見します。

こういった行動は、長期的に組織を疲弊させるので行わないほうが良いでしょう。

 

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