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~BIOPCと現代社会~
今日は少し観念的な話をしようと思います。
小難しいことを書きますが、お付き合いください。
BIOPCという言葉があります。
英語のBlack, Indigenous, and People of Color”(黒人、先住民、有色人種)の略です。
これらの分類に属す人びと(日本人も「有色人種」に含まれます)の多様な文化を尊重しなければならないという考え方です。
残念ながら世界は「平等」な場所ではありません。
強い立場にある人も弱い立場にある人もいます。
いい会社に就職したい、いい学校に行きたい、お金持ちになりたい、名家に生まれたといった表現は、強い立場にあることの優位を知るゆえの発想です。
民主主義社会とは、弱い立場にある人であっても同じ権利を享受できることを担保し、不当に虐げられることから保護される社会であり、
王政時代や君主制時代から人類が苦労して獲得した社会システムです。
強い立場や弱い立場が固定されず、流動性を保つためにはあらゆる人が社会に参加し、
民主主義社会の恩恵を享受する機会を保障されるという仕組みの維持が必要です。
プライバシー対応や個人データ保護対応をするときに最も重要な観点は、
「その先にある未来は自分たちの子どもたちに残したい世界となるか」という問いかけです。
機械学習技術や人工知能技術の急速な進展により、この問いの重要性は増してきたように感じます。
5月1日GoogleのAI開発の最高責任者であったGeoffrey Hinton氏がGoogleを辞職したという報道がありました。
Hinton氏は生成型AIのリスクについて警鐘を鳴らし、AI技術の将来について
“I don’t think they should scale this up more until they have understood whether they can control it,”
(コントロールすることができるかどうかを理解するまでこの技術をスケールアップするべきではないと思う)
と言っています。
AIは私たちが大切にしてきた社会的価値観を破壊する恐れがあると認識しておく必要があります。
https://www.nytimes.com/2023/05/01/technology/ai-google-chatbot-engineer-quits-hinton.html
機械学習や人工知能は蓄積データをもとにある判断を行います。
蓄積データはすべてのデータを平等に蓄積しているわけでもありませんし、
好ましくないバイアスが含まれると、そのバイアスがより研ぎ澄まされた形で発現する傾向があります。
クレジットカードの信用枠、再犯率の予測プログラム、顔認識プログラムの偽陽性問題等、米国では既にいくつもの事例が報告されています。
被害に遭うのはいつも弱い立場の人々です。バイアスは修正されなければなりません。
バイアスを是正するためには、バイアスを特定する必要があります。
自分のバイアスは自分では気づけないものです。
バイアスは、人との触れ合いの中で初めて表出するものなので、複数の異なる背景をもった人々が同じ出来事に触れ、異なる視点から眺める必要があります。
BIOPCの多様な文化を尊重する必要性はここにあります。
「賢い人たちが正しいと考えたことを受け入れなければならない」という考え方は、
あらゆる人の権利と自由を保護し、民主主義社会を維持する上で、最も不適切な態度です。
現代社会は、これまで以上に多様性が求められる時代となっています。
人との関わりが重要となり、また人と自分との間の超えてはいけない境界を認識し、尊重する能力が重要となります。
科学技術が進展するにつれ、基礎的な人としてのライフスキルが重要になるというのは興味深い現象です。
こういう時代が、人との関わりを絶つパンデミックと共にやってきたのは不思議な偶然に感じます。
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