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~国の役割~

気が付けばもう3月の下旬になってしまいました。


4月3日、4日に開催されるIAPPのGPS24に参加するため、私は米国に行く予定があります。


来週は東京に出る予定が入っているため、少しあわただしい日程となっています。


GPS24についてはknowledgeNet Tokyoで4月15日ご報告するよう申し受けていますので、ご都合つく方はぜひ参加を検討してください。

実は、私の現地での予定の半分はAIに関する打ち合わせや会議です。
AIの議論は大学の先生や政府関係者の方が中心となっています。


そういった方々が、「マルチステークホルダーでの議論が必要」ということで一介のコンサルタントの私までも議論に入れてもらえています。


私もなれない場ではありますが、現場の温度感をインプットして、現実的な政策を作ってもらえるようにお手伝いできればと考えています。

AIに関して日本はAI Safety Instituteを作り、AI事業者ガイドラインを公表し、AIと著作権保護との関係について論点整理を再度行う等、活発に動いています。


最近は「AIの安全性」というキーワードもでてきていますが、ここでいう安全性には国家安全保障という概念も含まれているようです。


DFFTと同様に、AIの現場でも国家安全保障の問題とビジネス促進との間で摩擦が生じることもあるようです。


AIの利活用を推進したい一方で国家安全保障を守ろうとし、それがビジネスの阻害要因となってしまっている状況に、国とはいったい何なのだろうと考えさせられます。

私は、国家の諜報活動や情報収集を否定するつもりはありません。


外務省の役人が絢爛な生活を送りながらパイプを築いていくという行為は国にとってはとても重要です。


国際社会であっても、最後は人と人とのつながりで動く部分があるからです。


国家の諜報活動はSchrems II裁判が示すように経済活動に負の影響を及ぼす可能性もあります。


ロジックでつめていけば、それは当然の帰結です。


一歩踏み込んだ情報を得ているからこそ、より効果的な行動をとることができるからです。


諜報活動や情報収集に透明性やアカウンタビリティを求めることには無理があるように思います。


グレーゾーンを白黒つけようとしては、うまくいくものもうまくいきません。

最近の国際的な緊張を見ていると、世界が潔癖になりすぎている気がします。


理想論や原理主義が行き過ぎると、世の中は息苦しくなります。


「文化」や「慣習」、「歴史」という言葉でくるまれますが、グレーゾーン、または裁量で何とかしてしまう余地が人の社会には必要です。


グレーゾーンや裁量が増えすぎると今度は腐敗や癒着、著しい人権の侵害の看過が生まれるので、そのきわどいラインを見極めながらバランスをとることが大切です。

ガバナンスとは、本来、そういうバランスをとるための活動のようにも思います。


だから、人間臭いし、自動化しきれない部分が多くあるのでしょう。

 

 

 

 

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~ウソ~

 

防衛大学校長等を務めた五百籏頭眞氏の訃報が3月6日届きました。

私は直接ご面識があったわけではありませんが、丁度ご子息の五百籏頭薫先生(東京大学)の本を読んでいる時の訃報でした。

お二人とも、私の中高の先輩にあたり、同窓会の幹事をしたことをきっかけに書き物等に目を通させて頂いていたところでした。

ご冥福をお祈りします。

 

私が今読んでいる本の一つに「<嘘>の政治史」(中公選書 五百旗頭薫 著)があります。

東大を訪れる機会があり、五百旗頭先生にご挨拶する許可を得られたので、せめてお書き物の一冊くらいは読んでいかないと、と読み始めた本です。

これがとても面白い内容で、今日はその一部を紹介したいと思います。

 

五百旗頭先生は歴史学の観点から政治と<嘘>について分析をしています。

政治に<嘘>がつきものであるという認識に立って、嘘の発言、嘘への対処という切り口から社会の在り様をとらえています。

特に見る人が見れば嘘であり、指摘する声があっても嘘を語る政治家に権勢があったり支持する人が多かったりするために公にまかり通ってしまう、

「横着な嘘」については批判的な態度をとっています。

 

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…これはいけない。まず、まじめに議論する気が失せてしまう。

それに、騙されたり、騙されたふりをしている人々を見ると、つくづくこんな国に住みたくないと思ってしまうかもしれない。

シニシズムを増長させるのは、こういう嘘である。 …(38ページ)

=======

 

人が集まるところには政治があります。

歴史のある大企業や官公庁では特にそうでしょう。

「横着な嘘」の問題は、政治や社会といった大きな問題に留まらず、私たちが身を置く日常の職場にも及んできます。

 

プライバシーやAIへの対応は「ガバナンス」を通じてコントロールします。

「ガバナンス」とは、目的を達成するための仕組みやルールの整備を指すので、人が深く関わります。

社内政治やセクショナリズムとの衝突もしばしば生じるでしょう。

そんな時に、<嘘>を方便として使うということは、このメルマガの読者の方もされているのではないかと思います。

 

注意したいのは、その<嘘>が「横着な嘘」とならないことです。

「言い切ってしまえば勝ち」と高らかに宣言しても、空間と時間を共にしている人には「横着な嘘」は通じてしまいます。

一歩間違えば、一緒に働く仲間に「つくづくこんな会社にいたくない」と思わせてしまうかもしれません。

ガバナンスの目標と現実とのギャップに「しらけ」を生じないような注意がなければいけませんし、

実質的な「搾取」が生まれないように各方面を律することも重要です。

 

ガバナンスの仕事をする機会が増えるにつれ、この仕事は思索の深みや経験の奥深さを求められる仕事ではないかと思うようになってきました。

次から次に流行りのテーマを追いかけるのではなく、

その移ろいゆくテーマの奥底にある「変わらないもの」をとらえようとしなければ、うまくいかないような気がします。

 

私の通っていた中学・高校には石碑がありました。

そこには初代校長の言葉として

「すべてのものは過ぎ去り そして消えて行く そのすぎ去り消えさって 行くものの奥に在る 永遠なるもののことを 静かに考えよう」

という言葉が刻まれています。

卒業後四半世紀を経て、中高時代に巡り合った言葉が重みをもって伝わってきます。

 

 

 

 

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~AI Safety Institute~

 

2月14日に日本政府はIPAのもとにAIの安全性の評価手法の検討等を行う機関として、「AIセーフティ・インスティテュート」を設立しました。

IPAの中に設置されているのは、各国でのAIガバナンスやAIの安全性についての取り組みがサイバーセキュリティ機関で行われていることに足並みを揃えてのことのようです。

「AIセーフティ・インスティテュート」の業務は「安全性評価に係る調査、基準等の検討」や「安全性評価の実施手法、国際連携に関する業務事務」とされています。

日本政府が推進するアジャイルガバナンスでは民間が評価基準等を定めるような説明がされていたのですが、

国としての統一した評価基準が生まれるのか、今後の動きを注視しておきたいと思っています。

 

2月29日に東京未来ビジョン研究センターと東京大学大学院法学政治学研究科の共同シンポジウム「AIの知財とガバナンスの論点」が開催されました。

東京大学はAI政策について興味深いウェビナーやシンポジウムを開催されているので、この分野に関心がある方はセミナー情報を確認しておくと良いでしょう。

AIと知財(著作権法)の議論はとても難しく、なかなかすっきりした整理ができません。

文科省の「AIと著作権に関する考え方について(素案)」のパブコメには、なんと25,000件近くのコメントが寄せられており、関心の高さが伺えます。

LLMが普及したことによって直接影響を受ける人が増えたことが原因の一つなのでしょう。

「享受」しているかどうか、「類似性」があるという線引きはどこかといった点が論点となるようなのですが、

誰にでも理解できる線引きにはなっていないところが難しいところです。

AIの問題は知財だけではありません。

基本的権利、民主的価値、社会正義といった民主主義国家の普遍的な価値を堅持するためのガバナンス確保という視点も必要です。

私の周りではむしろ、AI倫理という文脈でAIガバナンスに関心を寄せる人が多い気がします。(欧米でも著作権の問題は取り上げられます。念のため。)

AIガバナンスの肝は、「実現したい価値を実現するための手段」であることです。

シンポジウムで指摘されていたように、ガバナンスは自転車のサドルと似たもので、

「固定したものではなくある程度の自由度をもって動くことで、行き先をコントロールするための司令塔」としての役割であることを覚えておく必要があります。

グローバルでは、人間社会を維持するためのアプローチとしてガバナンスが語られます。

この視点はとても大切です。

 

翻って、日本のAI政策のモチベーションはAI事業者ガイドラインに記載されている通り、

「少子高齢化に伴う労働力低下等の社会課題の解決手段として、AIの活用が期待されていること」にあります。

内閣府によると、

「総人口に占める65歳以上の者の割合(高齢化率)は、平成72(2060)年には17.8%にまで上昇するものと見込まれており、今後半世紀で高齢化が急速に進展することになる」

という状況が日本の現実です。

日本政府の気持ちを平たく言えば、「このままじゃ国が崩壊する。テクノロジーで回避できるのではないか。」と言った切羽詰まった状況でAI政策を行っています。

 

AIのようなテクノロジーを活用しないと日本社会が維持できないという理由が背景にあるからこそ、

積極的にAIを推進しているのであり、「リスクを抑え込めないからAIを使うのはやめておこう」という選択肢は、もはやあり得ないと言って良いでしょう。

そんな中で作られるルールには注意が必要です。

 

今、日本ではAIガバナンスの認証制度を作ろうという動きも出てきています。

その際、AIセーフティ・インスティテュートも重要な役割を果たすことでしょう。

AIガバナンスの認証は、AIを活用する企業であれば必ず導入せざるを得なくなると思います。

ただ、グローバル企業が注意しておくべきことは「日本の基準」は前のめりな基準であり、

より中立的な立場からの基準を提示しているものが国外にあるという視点です。

自社のスタンスとビジネス上の戦略を考慮したうえで、何に準拠するかを考えることが望ましいでしょう。

多様な情報を容易に入手できる時代だからこそ、自分たちの視点から最適な基準を選択していきたいものです。

 

 

 

 

 

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~ソルーションを売る~

 

私は運がいいことに、すごいなと思う方と時間をご一緒させてもらうことが割と多くあります。

そのような方たちはプライバシーやAIの仕事をしている方ばかりではありません。

それでも気さくに話をしてくださり、楽しい時間を過ごさせていただいています。

そういった方達と話をしていて何が面白いかというと、彼らの仕事の取り組みが、

いわゆる教科書的な取り組みと少し違う型破りなところだと思います。

一般的な言葉でいうと、私がすごいなと思う方たちは、会社やお客様の課題の解決をされています。

ビジネス風に言えば「ソルーションを提供している」と言い換えていいと思います。

同じ会社や業界の他の人たちも似たようなことはしています。

ただ、「似たようなこと」と彼らが体現しているソルーションとは体感として違うことが分かります。

前者はbook wise (勉強した賢さ)で、後者はstreet wise (路地で学んだ賢さ)なのだと思います。

MBAで学べるのはbook wise、現場で身に着けるのがstreet wiseです。

聞いている人がワクワクするのは、street wiseの方です。

 

三遊亭圓歌という落語家が真打に昇格したとき、同時に昇格した林家こぶ平だけにフラッシュが当たり、

同じ楽屋にいた三遊亭圓歌にはマスコミはまったく見向きもしなかったそうです。

悔しくて楽屋を飛び出した三遊亭圓歌に恩人は

「うさぎとかめの童話で、うさぎがどうしてかめに負けたのか言ってごらん」と声をかけたと言います。

「うさぎにはいつでも勝てるという油断があったからです」という三遊亭圓歌の答えを否定して、恩人はこう続けました。

「かめにとって相手はウサギでもライオンでも何でもよかったはずだ。なぜならかめは一遍も相手を見ていないんだよ。

かめは旗の立っている頂上、つまり人生の目標だけを見つめ続けて歩き続けた。

…君の人生の目標はこぶ平君ではないはずだ。賢いかめになって歩き続けなさい」

人生の目標というと話が大きくなってしまいますが、仕事の取組みという視点にまで話を近づけたら、

この話はstreet wiseな方たちの在り方をよく説明してくれるなと思います。

私が惹きつけられる(そして、彼らのオーディエンス(お客様や同僚)もまた惹きつけられる)、

すごい方たちは、「旗の立っている頂上」しかみていなのだろうと思います。

だから、「そういうアプローチがあったか」と発見の喜びを感じさせてくれるのだと思います。

独創性は、ゴールに向かう工夫と言い換えることができるからです。

 

当社では、プライバシーマネジメントやガバナンスの構築方法についてトレーニングをしています。

その際、「教科書」として「型」を学ぶことができると受講生の方にはお伝えしています。

残念ながら、現場では、「型」通りになることはほとんどありません。

それでも、やはり「型」を学ぶことは大切です。

当たり前のことを徹底してできているかが、大きな差を生むからです。

実際、芸事やスポーツの世界、仕事を極めた人は、誰もが基本の大切さを説いています。

基本ができていない人は伸びないし途中で挫折してしまうといいます。

始まりはbook wiseとなるかもしれません。

でも、その基本を繰り返して身に着けて、ソルーションとしてのプライバシーを自分の持ち場で売ることができるようになった時、

その人は本当の意味でのプライバシープロフェッショナルになるのだろうと思います。

 

 

 

 

 

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