2023/12/19★寺川貴也が注目する最新NEWS TOPIC★

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~2023年最後のメルマガ~

2023年も今回のメルマガで最終号となります。

そして、偶然にもこのメルマガも100号を迎えるようです。

2つ目の節目が重なる号ということで、今日は少し趣向を変えて私が仕事で関わっている人について書こうと思います。

 

その人とは、ForHumanityのRyan Carrierさんです。

Ryanはもともと世界銀行で仕事をしており、その後自身のヘッジファンドを立ち上げました。

ビジネスはうまくいっていたのですが、ある時、AIの隆盛を目の当たりにし、ルールがないまま利用が進んでいる状況に

「このままでは世界が壊れてしまうのではないか」という危機感を感じました。

2015年、彼はビジネスをすべてたたみ、どこからも資金援助を受けることなく、たった一人でNPOのForHumanityを立ち上げました。

それから8年、ForHumanityは世界90か国を超える国々から1900名を超える専門家が参加するコミュニティへと成長し、

世界で初めてのGDPR認証の作成に取り組んだりグローバルで共通のAI監査のルール形成に大きな影響を与える団体となっています。

オンラインで話すと、Ryanは「最近みんな僕のことをセレブのような目で見るんだけど、僕はただの一般人でしかないよ。」と笑っています。

それでも、私はやっぱり彼のことをすごい人だと思ってしまいます。

Ryanの言葉にはスピリットがあり、話を聞くたびに、こちらも頑張ろうというエネルギーをもらいます。

信念の力というのでしょうか。

リーダーとはこういう人のことだと感じます。

 

仕事をしていると、運が良ければこういう驚くべき人物に出会うことができます。

自分の人生で大切なことに巡り合い、人生の呼びかけ(calling)に従って行動をし、いつしか多くの人からの支援を得るという人です。

私は、こういう人々に何人出会えるかかが人生の価値じゃないかと思っています。

損や得ではなく、自分にとっての正しさの中で仕事をする。

だから、仕事は楽しく、時間を投じる価値があるのです。

「仕事とは大人にとっての子どもの遊びのようなものだ」という言葉を読んだことがあります。

そうありたいものです。

 

日本でも少し前まではそういう人に出会うことができました。

印象的な人との出会いは、たった一つであっても、私たちの人生に彩を与えてくれます。

せっかく仕事をしてたくさんの人と関わるですから、人生が楽しくなるように過ごしたいものです。

魅力的な人物には本や著作を通じて出会うこともできます。

そんな人の一人として、私の好きな四国に住んでいた詩人、坂村真民さんを紹介します。

残念ながら1998年に97歳で亡くなっています。

彼の詩にこんなものがあります。

 

【生きるのだ】

いのちいっぱい

生きるのだ

念じ念じて

生きるのだ

一度しかない人生を

何か世のため人のため

自分にできることをして

この身を捧げ

生きるのだ

 

2023年が皆様にとって良い年であったこと、そして2024年が皆様にとって喜びに満ちた年であることを祈念しています。

良い年末年始をお過ごしください。

 

 

 

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~欧州のAI法は2024年に成立、2026年に施行へ~

 

11月末のデータ法に引き続きAI法の大筋合意のニュースが欧州から流れてきました。

来年の欧州議会の選挙前に道筋をつけておきたいという思惑もあり、議論が加速した側面もあるようです。

いずれにせよ、巨額の制裁金を課す AI規制が生まれることは歓迎すべきことでしょう。

欧州は個人データに続き、AIについても規制の主導権を得たことになります。

AI法はAIを利用すべきでない領域を定める他、高リスクAIについてはリスク評価を求めるというものとなっています。

AIリスクマネジメントは個人データのリスクマネジメントと似ていますが、

ステークホルダが多岐にわたる中でいかにバランスをとることができるのかが重要なポイントとなっています。

実際、プライバシーマネジメントでも、法務部門やコンプライアンス部門が用意したリスク評価がビジネスの運営上支障をきたしてしまう事例がいくつか生じているように、

リスク評価とはステークホルダ横断で行わなければ問題を生じてしまいます。

裏を返せば、今まで以上にコミュニケーションが重要な時代となっているということです。

 

日本政府は、少子高齢化解消のためのSociety 5.0実現という目標の下、

新技術に規制を課さずソフトローアプローチで技術導入を後押ししようとしてきました。

AI法が成立することで、この中立なアプローチは少なからず脆弱なものへとなることが予測されます。

AI法はAI開発にとってデメリットとなるのでしょうか?私はそうは思いません。

規制があることで開発者は「境界」を知ることができ、これが企業の逡巡の時間を減らす可能性があると考えるからです。

「自由にしてもいいよ」というのは友好的な態度に見えますが、

多くの場合、「ここまでならしても大丈夫」と言われる方が人はチャレンジしやすいものです。

アジャイルガバナンスというアイデアは、最終的に「誰が猫に鈴をつけに行くか」というチキンゲームになってしまった側面があったのかもしれません。

「決めることができない」というのは、相対的にマイナスの影響の方が多い気がします。

 

ところで、最近CJEUで興味深い判断が行われました。

ドイツのある企業の自動化した意思決定の利用についてのものです。

自動化した意思決定を用いたローン審査に落とされた個人が当該企業にアクセス権行使を行ったところ、

一部の情報は「企業秘密」を理由に開示を拒否されました。(“C-634/21: SCHUFA Holding (Scoring)”)

このケースではローン審査のための信用スコアを提供していたサードパーティが「自動化された意思決定」を「行った」と判断すべきかがCJEUに確認されました。

信用スコアを計算しただけであり、意思決定はサービスを利用した企業が行った、というロジックです。

CJEUは「「契約の確立、実施、撤回」が個人の信用スコアに「強く依拠している場合」(draws strongly)」には、「自動化した意思決定」を行っているものとみなし、

GDPR第22条第2項の例外が適用されない限りは実施してはならないと明確化しました。

また、GDPR Art.13/14の透明化の要件も満たす義務が生じ「意味のある説明」を行うようにと示唆しています。

 

この判例は今後のAIの利用にも影響を与えることでしょう。

機械学習によって行われる判断に対して「意味のある説明」を行うことを事業者は求められることになります。

人は「アルゴリズム上の関数を呼び出して計算したところこの結果になりました」、という説明では納得できません。

となると、そのアルゴリズムについて、どこまで説明すればよいのかということが大きな問題となるはずです。

このような情報を、汎用AIの利用者で製品に組み込んでいるだけの事業者が行えるとは想像しにくいので、

結局モデルを構築したおおもとの事業者がその責任を果たすように求められることになるのかもしれません。

そうなると、今度は「有意な説明」を得られるのか、という疑問が生まれてきます。

 

AIに関するニュースに世間は沸き立っていますが、規制環境という観点からは非常にきわどい綱渡りをしている状況に感じます。

この業界に関わることになった人間の一人として、しっかり仕事をしなければならないと思うこの頃です。

 

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~EU データ法~

 

気が付けば12月も一週間が過ぎようとしています。

今年は時間が経つのが早い気がします。

気候変動のせいで季節感がずれてしまっていることも一因かもしれません。

それに、近年は新たな戦争の勃発等、多くのイベントが続いていることもあるのでしょう。

 

そんな中、欧州からEU理事会がデータ法(Data Act)を採択したというニュースが11月末に流れました。

この法律は、EU域内で生成されたあらゆる経済分野のデータに誰がアクセスし、

利用できるかについて新たなルールを定めるもので、データ市場の活性化目指すものです。

特にデータの価値を企業のみではなく個人に還元し、データへのアクセス性を高めるという点で画期的なものと感じます。

このコラムでも、デジタルエコノミーはデータのコントロール権拡大に向かっていることを指摘してきましたが、

その流れが加速しているといってよいでしょう。

 

▼プレスリリース

https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2023/11/27/data-act-council-adopts-new-law-on-fair-access-to-and-use-of-data/

 

上記を読むと

「スマートオブジェクト、機械、デバイスを通じてデータが生成される場合、強化されたポータビリティの権利を通じて、個人と企業の双方に、異なるサービス間からデータを容易にコピーまたは転送し、データをよりコントロールできるようにする」

と述べられています。

 

GDPRで用意したブレーキを軸に、欧州はいかに加速するのかを検討するステージに入っています。

ご存じの通り、2022年には企業、個人、公共部門によるデータ共有を促進するためのプロセスと構造を構築することを目的としたデータガバナンス法が成立しています。

今回成立したデータ法は、欧州で成立した二番目のデータ法規制です。

誰がどのような条件のもとでデータから価値を創造できるかを明確にするものと位置付けられています。

データの価値を最大化するためにはデータ流通を促進することが必要です。

 

データ法は数週間以内にEU公報に掲載され、掲載後20日目に発効します。

適用は発効日から20カ月後です。

ただし、第3条第1項(新商品のデータへのアクセス簡略化の要件)は、

データ法の発効日から32ヵ月後に上市されるコネクテッドプロダクトおよびそれに関連するサービスに適用されることになります。

システムの再構築という観点からはスケジュールが少しタイトですね。

 

データ社会に移行すると、今度はエネルギー消費の問題が生まれてくる可能性があります。

AIの活用も進む中、コンピューテーションとシステムの冷却に要するエネルギー消費は増加する一方でしょう。

そのコンテクストからは、気候変動についての国際会議COP28の決定がより重要性を増すことも想像されます。

考えることの多い時代です。

 

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