2023/4/29★寺川貴也が注目する最新NEWS TOPIC★

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~最近のニュースとプライバシー専門家という仕事について~

023年4月17日にベトナムで個人情報保護法についての政令が公布されました。

2023年7月1日から施行です。

データ処理のリスクアセスメントを行いその結果を当局に提出すること、および越境移転の同意取得、移転先との契約の締結、リスクアセスメントを行い、

これらの証跡を当局に提出することという共産国でよくみられる当局による深い関与が特徴的な法律となっています。

今回の政令ではデータローカライゼーションが削除されたので、

サイバーセキュリティ法でのデータローカライゼーションのみを対応すればよいというのは、厳しい中でもいいニュースといえます。

対応についてサポートが必要な場合はお気軽にご連絡ください。

 

日本では2023年6月16日に改正電気通信事業法が施行され、

電気通信事業分野でのいわゆるcookieについての規制が始まります。(「外部送信」以外の部分での改正もあります。)

適用対象や要件の詳細については明確化が必要な部分が数多くありますが、

特に外部送信規律についてはプライバシーノーティスの改訂等の対策を求められる事業者が出てきます。

今一度対応の要否をご確認して必要な対応を進めていただければと思います。

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/gaibusoushin_kiritsu.html#h03

 

その他、データプライバシーのコミュニティーではAI、特に生成型のAI (Generative AI)への関心が非常に高くなっています。

この傾向は欧州のAI法案、AIの責任を定義する法律案、

AIが関連する製品事故についての製造者責任を定義する法律案といったハードロー(hard law)の議論と共に少しずつ関心を寄せられていたのが、

Chat GPTの登場と共に急速に高まった形です。

 

AIポリシーやAI倫理については国際機関やG7/G20といった会議体で長いこと議論がされてきました。

大学でも当然このような議論が活発に行われています。

私は今、AIガバナンスについていろいろと調べているのですが、日本人研究者の名前を見かけることもあり、心強く思っています。

議論を追っていると、急速な技術発展の中で、バイアスの確認や透明性の確保が十分に行うことができない構造的な問題が指摘されています。

企業への責任ある対応を求める声もありますが、形式的な対応の誘惑が大きいこともうかがえます。

AIの議論はデータプライバシーの枠を超え、民主的な市民社会を維持するためのガバナンスの在り方にまで及ぶのですが、

その手法はデータプライバシーの慣行を援用できます。

人の権利と自由を護るとうプライバシーの基本的スタンスは、我田引水なところはあるかもしれませんが、AIガバナンスの構築に応用可能です。

AIについて調べると、データプライバシーの専門家の役割は今後ますます高まるような印象を覚えます。

 

日本でも少しずつプライバシーの役職が生まれてきています。

当社のIAPP公式トレーニングに参加してくださる方々は、皆様各社でプライバシーガバナンスの重要な役割を担う方たちです。

企業によっては、知識の俗人化を避けるためにファウンデーショントレーニングの導入を検討し、社内の集合知として蓄積しようと考えているところもあります。

米国ではプライバシー専門家に特化した人材紹介会社も出てきています。

この人材紹介会社によるとCPOの給与は30万ドル以上、DPOやSME(専門家)で20万ドルから30万ドル、

マネージャーレベルで15万ドルから20万ドルというのが平均的な給与レンジといいます。

もちろん日本ではここまでの給与が支払われていないようですが、それでも、長期的なキャリア計画の観点からすると、

プライバシー業界で経験を積むことは有望な職業選択のひとつと言えます。

 

プライバシーの専門家としてグローバルで活躍するには、人としての「善さ」も重要です。

プライバシーや法律、テクノロジーについての勉強と共に、人がどういうときに喜び、どういうときに悲しむのか、人への思いやりとは何か、価値の多様性とは何か、

そして、何よりどういう未来を将来世代に残していきたいのかということについても想いをもっていていただけると、

この世界はより良い場所になっていくのではないかと感じます。

 

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2023/4/18 ◆Mark A. Sayreさん、当社でのインターン活動ありがとうございました!!◆

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約4か月間、当社でインターンとしてMark A. Sayreさんと一緒に仕事をさせていただきました。

短い期間でしたが、Mark A. Sayreさんの丁寧でスピード感ある対応は、当社にとって非常に有益なものとなりました。

Mark A. Sayreさんより、今回の活動についてメッセージを頂いていますのでご紹介します。

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Terakawa-san,

Of course, I would be happy to write something about my experience and to share my photo. See below for a draft. Feel free to add/edit however you would like. I have also attached two pictures so you can choose whichever one is best for the post.Interning at TechnicaZen was an incredible learning opportunity. During my four months at the firm, I had the opportunity to work on a number of research projects covering a wide range of topics including Japanese Data Privacy law, U.S. Data Privacy law, and the use and regulation of cookies. The team at TechnicaZen is incredibly friendly and helped me to feel supported even though my internship was entirely remote. Terakawa-san made himself very available to me for advice and guidance and has a deep knowledge of data privacy issues and resources, which was very helpful in particular when navigating Japanese government websites. I am thrilled to have had this wonderful and unique opportunity!

 

寺川さん

TechnicaZenでのインターンは、素晴らしい学びの機会でした。4ヶ月間、日本のデータプライバシー法、米国のデータプライバシー法、クッキーの使用と規制など、幅広いトピックを扱う多くの研究プロジェクトに携わる機会がありました。TechnicaZenのチームは非常にフレンドリーで、完全に遠隔地でのインターンシップであったにもかかわらず、サポートされていると感じることができました。寺川さんは、私にアドバイスや指導をしてくれ、データ・プライバシーの問題やリソースについて深い知識を持っているので、特に日本政府のウェブサイトをナビゲートするときにとても役に立ちました。このような素晴らしい、またとない機会を得ることができ、感激しています!

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▼LinkedInにて当社CEO寺川よりメッセージ

https://www.linkedin.com/feed/update/urn:li:activity:7053897308534423552

 

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★「IAPP Global Privacy Summit 2023」活動報告★

先週のメルマガでお知らせしたとおり今年はIAPPのData Privacy Summitに参加していました。

前夜祭にあたる4月3日のOpening General Sessionを皮切りに、IAPP最大の国際会議の面目躍如たる2日間が始まりました。

 

Opening General SessionではコメディアンでミリオンセラーノベリスであるTrevor Noah氏に、

Center for Democracy & TechnologyのCEOであるAlexandra Reeve Givens氏がインタビューを行いました。

このセッションではアパルトヘイト政策下での南アフリカでの体験をもとに監視社会とプライバシーについて語られました。

Trevor氏が物事の多面性とプライバシーの文脈依存性について指摘していたことが印象に残っています。

 

IAPPは、今年会員数8万人を突破したといいます。

メインステージの前には2000脚を超えると思われる椅子が並べられ、聴衆で埋まっていました。

IAPPの存在感を感じさせられます。

 

国際会議に出る意義はネットワーキングを行うことです。

現地の専門家に直接会い、話をすることでつながりを構築し、関係性を育みます。

日本ではそれほど重視されていませんが、欧米やアジアの一部の地域では共に時間を過ごすこと、

特にディナーを共にするということがとても大切なプロセスとなっています。

日本の専門家の方にもぜひ国際会議に参加していただき、社外の方々とのつながりを構築していただきたいと思っています。

 

私たちのセッションは4月4日の11時からでした。

”Heading East: A global Privacy Leader’s Guide to Success in Asia”と題し、

フィリピンのMedialdea Bello and Suarez Law弁護士事務所のJon Bello氏のリーダーシップの下、勧告個人情報保護委員会委員長のHaksoo Ko委員長、

オーストラリアのサイバーセキュリティとプライバシーのコンサルティング会社IIS Partnersの設立者かつパートナーであり前オーストラリアプライバシー保護委員長のMalcolm Crompton氏、

シンガポールのSquire Patton Boggs法律事務所のCharmian Aw氏と共に、

アジアのデータ保護についてのパネルディスカッションを行いました。

 

パネルディスカッションの準備をする中、私たちはアジアのダイナミクスをしっかり伝えよう、

アジアは多様性に富んでおりGDPRに対応しているから問題ないという考え方は必ずしも正しくないということを明確にしようと話していました。

これをMalcolmは”Meet difference with deference”(「違い」に敬意を示そう)というメッセージで表現していました。

非常に大切な姿勢です。

 

私たちのパネルディスカッションは大変な好評をいただきました。

個人的には日本からお客様が聴講に来て下さったことも励みになりました。

同時に、世界各国の専門家からパネリストの下に学びが多かったというコメントも多数寄せられています。

余談ですが、パネリストはアジアからの出張のため時差ぼけ(jet lag)に苦しみながらの参加です。

私たちはそれを冗談にThe Jet Lag Teamという名前を付けチームTシャツを作って結束を強めました。

真面目な話題を遊び心と共に楽しめる仲間がいるというのはとてもいいことだと思います。

 

GPS23でその他目を引いたのは、AIに関する議論です。ChatGPTの登場と共に、AIガバナンスの重要性が急速に高まっています。

私はCAIDPの年次報告会で少しだけスピーチをする時間をもらったのですが、AIリスクへの対応が喫緊の課題であることを改めて認識させられました。

日本はOpen AIが研究所を開設してくれるとまなじりを下げていますが、AIリスクについては今一度検討しなおしたほうが良いでしょう。

この会については次回のメールマガジンで報告します。

 

====IAPP GLOBAL PRIVACY SUMMIT 2023====

▼サミット写真アップしました!!

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid02avmexfL1UmVe4LVCV1KJGxb8F5fHNo6QhBSpPpB6AykZdkpaKhHX7cJcv81iXkR3l&id=100063674695258

 

▼ワシントン風景写真アップしました!!

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid0pHwo1eyaKT4M1ppFyqWeH19PZe7L91EG29mMtC2r4jAsbJzotBgW63KsR4MMwCMwl&id=100063674695258

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★ワシントンD.C.での雑想★

今年はIAPPのData Privacy Summitに参加するため、3月30日からワシントンD.C.に入っています。

4月4日にアジアのプライバシーについてのパネルディスカッションに参加するためです。

韓国の個人情報保護委員上のKo氏も出るパネルディスカッションなので、個人的には貴重な機会をいただけたと思っています。

私は中国と日本の法律について簡単に紹介し、その後、アジアにおけるプライバシープログラムについて話をすることになっています。

このメルマガが配信される頃にはパネルディスカッションは終わっていると思いますので、報告は次回のメルマガに任せるとして、ワシントンD.C.で感じたことについて少し書こうと思います。

 

ワシントンD.C.はDistrict of Colombia(アメリカ特別区)といって、アメリカ連邦政府の直轄地となっています。

アメリカ連邦政府の中枢が集まっているためgovernment townと呼ばれているそうです。

街中を歩いているとプライバシーシールドを管轄する商務省(DoC)や様々な執行措置で名前が挙がるFTC(連邦取引委員会)の建物が現れて、

ここであの報道が発表されているのかと感慨深いものがあります。

スミソニアン博物館は無料で開放されていますし、美術館には著名な画家の絵画が家の中にかけられている絵の一枚のように飾られています。

ワシントンD.C.に来るのはこれが2回目ですが、この街のスケールの大きさと安定感が印象的です。

 

私は市街地から地下鉄で5駅の”Van Ness-UDC”の近くに滞在しています。

ここは大使館が数多く置かれている美しい場所です。自然も多く、様々な鳥や鹿、ウサギ、キツネ、リスといった動物を見ることもできます。

土地が広いため大木が空に突き出ていてもすっきりして見えます。そこに太陽の光が当たっていると、神々しささえ感じます。

4月はちょうど桜のシーズンで、大使館の庭にも何本か満開の桜を見つけることができました。

町の人がキツツキの木を打つ音を聞きながら散歩やジョギングを楽しんでいる様子には羨望を抱きました。

 

アメリカは今、民主主義の危機に瀕しているといわれています。

次の大統領選で誰が選ばれるかで国の方向性が変わる可能性もあると心配する人もいるほどです。

もし、アメリカが独裁的な国に変化したとしたら、D.C.の中枢のあの荘厳な建物は権力の象徴として機能し始めることになるのでしょう。

すると、あの自然の中で散歩して談笑していた人も、国の方向性に従った政策を着々と実行するようになるのでしょう。

 

変わるのは建物でもなく、自然でもなく、そこにいる人たちです。形や環境は多くの場合ずっと同じなのだと思います。

形や環境を用いて行動する人が、本当のインパクトをもつことになるのです。

 

私たちはコンサルティングを通じてプライバシープログラムの構築を提供していますが、これも建物や環境にすぎません。

プライバシープログラムが良いものになるか、意味のあるものになるかは、それを動かすソフトの力、つまり人です。

何かをうまくやっているかを「kとがら」で測定することは容易なのですが、本当に必要なのはその質を測定することでしょう。

質を創るのは人であり、人の育成と定着には長い時間と努力が必要です。

 

日本はPマークを取得している企業が1万7千社以上もあります。

形や環境は整っています。次の課題は、それをいかに深めるかではないかと感じます。

 

 

 

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