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最近はBrexitを除いて特にめぼしい話題がないので、少し所感を書いてみます。
現在、日本ではデータ・プライバシーは弁護士の方やシニア層の方が担当されていることが多くあります。が、データ・プライバシーが語られている状況との間にミスマッチを生んでいるのではないかと感じます。
弁護士の方にとっては、データ保護はニッチすぎ、専門とするには狭すぎる分野です。法律についての高度な知識を網羅的にもつ弁護士がデータ保護に集中して取り組むというのは、いささかオーバースペックに感じます。毎日の通勤にフェラーリを使うようなものです。
シニア層の方は日本型組織になじんでマネジメント・システムの思想とは異なる思想で生きてきた人たちです。リーダーシップの発揮の仕方も、実力とコンセンサスの形成よりも完成された組織の関係性の中で順当に出世し上の立場に立つことが多かった世代です。(しかも英語さえできないことが多い!)
前提としてきた世界観が違うので、そもそも何を達成したいのかについての理解が不十分、もしくはそれを理解したところでそのような考え方に慣れていないためどう動けばよいかわからないようです。(データ保護をいまだにシステムセキュリティと同義と考えている等)
データ・プライバシーの世界はまだ「正解」がない世界です。今流行の言葉で言えばVUCA (Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ))の分野です。
「透明性」ひとつをとっても、何をすれば透明性を担保できるのかは誰もわからない、というのが現実です。
日本でデータ・プライバシーに従事している人々は、適材適所になっていない可能性が高いと感じます。
プライバシーの専門家としては(自分の頭で考え動くことができ、国際感覚がある)若い人を採用するのがよいように感じます。
方針の決め方も「対話」を重ねることで文化を醸成し、明文化することでそれを規定し、かつ継続的な対話によって規定を更新し続ける、という作業が必要です。
スピードも大切ですし、情報収集も大切です。明文化、言語化も大切な要素となります。
これらの多くは日本型の組織に欠けていますね。若い世代にもっと権限を委譲し、ダイナミックに動いたほうがよいのではないか、という印象があります。