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~AI時代の仕事について~
Chat GPTを使ったことがある人は多いと思います。
全世界で100万ユーザーを獲得するのにわずか5日しか要しなかったこのツールは、”Game Changer”と呼ぶのにふさわしい働きをします。
先日当社で取り組んでいたプロジェクトでためにしにChatGPTのアウトプットを見てみると、
教科書さながらのガイダンスがでてきて、感想は「すごい!」の一言でした。
別の友人は、新聞記事に対しての抗議の手紙をChatGPTに作成させて「ChatGPTに抱き着いて感謝したい」くらいの出来栄えだったといっていました。
ChatGPTはLLMモデルと呼ばれるもので、自然言語での入力に対して1つの出力を出すツールです。
やっていることは本質的には検索エンジンとそう変わらず、検索エンジンと異なる点は、モデル理論上もっとも確度の高いアウトプットを1つだけ出すという点です。
検索エンジンの場合は、Googleの検索結果でおなじみの通り、関連性の高いものから順にたくさんのアウトプットが並びます。
LLMモデルの場合は、これが一つだけになる、ということです。
こう考えると、AIがしていることの理解はとてもシンプルになります。
AIとは、端的に言えば、「物知り」の人があることについて質問されて「〇〇だと思う」という回答を返してくれる存在です。
会社にも「〇〇についてはXXさんに聞けば何でもわかる」という人がいると思いますが、AIがやろうとしていることはそういう人の複製をつくろうとしているということですね。
AIの回答は「物知り」さんと同じように、知識に基づいていますので(人の場合は「経験」も含まれる)、知識量が多ければより「確からしい」答えを出すことができます。
でも、知識量が少ない場合は、AIは「創造」しないので、かなり的外れな答えが返ってくることとなります。
AIは「考えない」ので、どんなに「おかしな」結果でもどうどうと「回答」してしまいます。
人間では「無神経」となじられることで抑制が効くことも、AIではそうなりません。(人間でもそういう人がいる、という話はここではおいておきます。)
Human-in-the-Loopと言いますが、これは、「なにやってるんだ、バカヤロウ」としかりつける(これはパワハラ?!)存在を確保するということです。
先週、欧州議会がAI法案の欧州議会版を圧倒的多数で可決し、その日の夜から三者協議が開始されました。
欧州でAI法成立に向けて大きな一歩が踏み出されたということです。
AIに関する法律では、世界的にAIについて法的拘束力を持つ規制を課す動きが進んでいます。(日本は法的拘束力を持たないソフトなアプローチで技術を推進しようとしています。)
少なくとも、欧州と米国ではこの動きが加速しています。
こういった規制が強調するのはAIリスク評価とAIガバナンスという考え方です。(当社でもこの秋からサービスとして提供します!)
個人的には、リスク評価もガバナンスも、データプライバシーの場合は企業が行うことに納得感を得られやすいと感じますが、AIのケースは未知数だと感じています。
さて、今回の記事の主題に戻りますが、AI時代の仕事とは、インターネットの時代の仕事とあまり変わらないような気がしています。
つまり「知識量」でごまかしがきく時代から「思考量」でしか差がつかない時代変わっていくということだと思います。
ノーベル賞の基準を見ていると「賢さ」の定義はこれまでも「思考」の精度の高さが基準だったと思いますので、本質的には人間社会は変わらないのだと思います。
ただ、「賢い振り」をして仕事をしている軽薄な人たちが恥ずかしい思いをするケースが増えるということかと思います。
「思考量」を図るには答えのない質問をしてみるといいでしょう。(たとえば「なぜ人を殺すことはいけないのか?」という問い。)
答えのない世界で、考え続けることが必要な時代が加速しているように感じます。(もちろん、考えなくてもできる仕事は今後も残りますが賃金は下がってしまいそうです。)
~
私はコンプライアンス活動とは何かと尋ねられると、ビジネスが加速するために必要なブレーキを提供する活動と答えることにしています。
ブレーキが壊れた車で100kmの高速で走りたい人はいないでしょう。
スピードを出すことができるのはブレーキが正しく効くからです。
高速で前進するためには減速する仕組みが不可欠です。
コンプライアンス活動は手間がかかります。
責任者を定め、法規制を調査し、ルールを定め、毎週会議をしながら運用を行わなければなりません。
コンプライアンス活動を正しく機能させるためには責任者となった人がそれなりに勉強をする必要があるのですが、
勉強もまた、注いだ熱意とかけた時間、関心の深さで質が変わります。
一番マズイのは我流です。
英語で”Don’t reinvent a wheel.”という通り、既にあるgood practiceを素直に活用することが大切です。
組織の持つ地図が間違っている中PDCAを高速で回すと、組織は高速で失敗に前進するだけです。
コンプライアンスの責任者は、正しい地図を持っていなければなりません。
コンプライアンス活動でもアウトプットが求められます。
アウトプットは測定しなければなりませんが、測定しにくい、もしくは単年度では測定すべきでないものもコンプライアンス活動には含まれます。
たとえば組織内でのアウェアネス/文化の醸成といった活動は、「空気」でしかなく、数値化して追求しても明確に捕捉することはできません。
売上を気にしなければ会社が立ち行かない新興組織にはよくあることなのですが、マネジメント層がこの点を理解していない場合、コンプライアンス活動は形骸化します。
目に見えるアウトプットが偏重されるため、フォーマリズム(形式主義)が忍び寄るからです。
最近新興企業のCEOが米国議会でよく口にしていますが、
「ルールがないのが悪い」とか「ルールを守っているのだからうまくいかなければルールを作った人が悪い」という声が聞こえてきたら、
コンプライアンスの本来の意図を忘れている可能性があります。
ルールは、コンプライアンスの目的を達成するためのツールでしかありません。
コンプライアンスの目的は、製品サービスが意図する結果をもたらすことを担保することです。
ここ数年、日本の製造業で品質検査の不正が発覚し、ニュースとなっています。
設計や製造の現場では数多くのチェックシートが運用されています。
業種によっては、チェックシートの記録が多くて設計の仕事をしているのか報告書を作成しているのかわからなくなるケースもあります。
多くの場合、チェックシートの種類や項目が増えることはあっても減ることは稀です。
当然職員の仕事は増えるため、チェックシートは本来のチェックの機能を果たせず「作業」となりがちです。
これがフォーマリズムを呼んでいます。
日本の製造業は戦後経済をけん引してきましたが、ルールが合理化できていない側面もあります。
品質不正は、複雑になりすぎた運営と短期的な成果を求めすぎた結果といってよいでしょう。
私は、プライバシーマネジメントでも、同様のことが起こる可能性があると思っています。
プライバシーマネジメントを適切に行うには、管理可能なスピードでプロセスを経て組織を成熟させる必要があります。
経営層のプレッシャーを受けつつも、自分たちの組織に適した形で、基本に忠実に最善の行動をとるような舵取りをすることが責任者には期待されます。
目に見えるアウトプットを求めるあまりプライバシーマネジメントにとって重要ではない活動にリソースを投下してしまった事例を散見します。
こういった行動は、長期的に組織を疲弊させるので行わないほうが良いでしょう。
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