暗黙の同意(Implied Consent)

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同意には「暗黙の同意(Implied Consent)」というものがあります。

WP29の最新のガイドラインでは「暗黙の同意」に対して否定的な見解が示されていますが、例えば名刺交換等でもらった名刺に書かれたアドレスにe-mailを送る場合は「暗黙の同意」のもと送付する、と考えることができます。
以下はカナダのCanada’s Anti Spam Legislation(カナダアンチスパム法)による説明の引用です。

欧州法とは考え方が異なる可能性がありますが、「暗黙の同意(Implied Consent)」を理解する上で役に立つのでご参照ください。

<暗黙の同意が成立するケース>
1.公示されている情報
ウェブサイトや情報誌上に連絡先が掲載されている場合、連絡を取ることに暗黙に同意していると判断されます。

2.公表した情報
名刺を渡したり仕事用アドレスを教えた場合、メールを送信したり連絡を取ることに暗黙に同意したとみなせます。
相手が明示的に自分のメールアドレスをあなたに教えた場合が該当します。

ただし、このようにして得られた情報を活用するのは、あなたの「仕事」に関連する場合のみに限定されます。

3.既存の顧客、取引先の情報
既にビジネス上で取引、見積もり、商品の購入契約や商品・サービスについてのバーター契約がある場合は、連絡先にメールを送ることは「暗黙に同意されている」と考えられます。

4.既存のビジネス外の関係
所属する組織のメンバー、ボランティアグループ、慈善団体等、所属団体のメンバーに対する連絡に対しては「暗黙の同意」が成り立つと考えられます。

名刺についてはGDPR上よく問い合わせがありますが、基本的には「暗黙の同意(Implied Consent)」が成立していると考えてよいでしょう。
GDPRは個人の権利と自由を護るための法律なので、名刺交換による連絡が個人の権利と自由を侵害するというケースは考えにくいといえます。