2025/4/4<テクニカ・ゼン>CEO寺川貴也が注目するNEWS TOPIC

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【未来を見据えた動きを】

ここ数年、野菜や米の価格が高騰しているというニュースが流れています。天候不良のためという説明がついていますが、それ以上に農業従事者と耕地の減少の影響があるように思います。農水省の公表している統計値では、2024年の作付面積は427万2千ha となっています。1956年の統計値では601万2千haと報告されているので、ほぼ3分の2に減少しています。農業経営体の数は2006年の統計値で193万5800だったのが2019年の統計では118万8800とわずか13年でほぼ半減しています。農業は家族経営で営まれることが通常で、この数字はほぼ農業従事者数の遷移に比例していることが推定されます。ちなみに、農業従事者の平均年齢は2024年の統計で69.2歳です。農業従事者減少の 傾向は今後も止まらないでしょう。

作り手が減り作る場所が減っているのであれば、気候変動への耐性も下がり供給が不足するというのは別に驚くべきことではありません。「異常」な出来事は、理屈を考えればそれほど異常に見えないことがしばしばあります。

私たちが取り組む「ガバナンス」とは、「異常」な出来事の裏にある摂理を見つけるための装置です。「農業統計」が存在するように、ガバナンスは「組織についての統計」を生み出し、組織の運営者が、(その気があれば) その姿を客観視できるようにしてくれます。ガバナンスを観察すれば、組織が適切に運営されているか、健全な精神を宿しているかを見て取ることができます。

ガバナンスを活かせるかどうかは、組織の運営者の能力と力量にかかっています。現状維持と責任をあいまいにする態度では、多くの場合ガバナンスの取り組みは失敗します。ただ、最近のニュースでもしばしば表面化している通り、「問題の先送り」や「問題がそもそもないことにしてしまう」という無責任な事例は発生します。ガバナンスを正常に運営するにはエネルギーが必要であり、そのエネルギーを確保することは容易なことではないからです。ガバナンスを運用するには、組織を大切に思い、より良い場所にしたいと願う、良識があり、規律を備えた、行動力のあるリーダー層の存在が欠かせません。

4月1日のニュースで、新入社員を「おもてなし」する会社が取り上げられていました。企業活動を通じて社会を「おもてなし」することになる人材を、「おもてなし」していては最終的に組織の商品、サービスの品質を落とすことにつながり企業の破滅への道につながりはしないか、という気持ちもわいてきます。100時間を超える残業、性暴力がある組織、暴力や暴言がはびこる職場は論外ですが、だからといって緊張感のない職場も危険なものです。組織文化の変化もまた、「ガバナンス」が提供する指標で検知できます。ルールの遵守違反、苦情や権利請求の件数、インシデントの件数、相談件数、といった数値はリーダー層に多くの情報を伝えてくれます。

会社をより良い場所にするために、ガバナンスを通じて自分たちの組織の現在地を知り、未来を見据えた動きを行わなければなりません。

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