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~監査の役割~
9月は3度国外でお話をさせていただきます。
まず9月16日土曜日にフィリピンの大学(Asian Institute of Management)のMBAコースでサイバーセキュリティとプライバシーの接点について話をします。
ここでは、実務で出会うケースについていくつか紹介し、どのように対応しているのかを紹介する予定です。
次は9月22日金曜日のIAPP knowledgeNet Bangalore (インドのバンガローで開催されるIAPPの勉強会)でデジタル個人データ保護法と日本の個人情報保護法との比較を行います。
最後は9月28日木曜日でISACAシンガポール、タイ、台湾の合同イベントでGenerative AIの話題やAIガバナンスの最新動向の紹介をテーマに話をします。
最後のAIガバナンスについては、まだ世の中に定まったアプローチがあるわけではないので、
私が学んだことを共有するというスタンスとなります。
今日は監査の役割について少し書こうと思います。
「監査」(“audit”)とは、会社の社内ルールや管理策が正しく行われているかどうかについて、証拠をもとに確認する行為をいいます。
「評価」(“assessment”)とは異なり「pass / fail」の二者択一で報告が行われるという特徴もあります。
「監査」は「組織が実行するといったことを実行している」ことを示すアカウンタビリティメカニズムとして採用されています。
対外的にアカウンタビリティを担保するためには、客観性を高めるためにサードパーティによって行うのが有効です。
サードパーティを用いた監査は費用も掛かるので多くの企業は内部監査を行い、代替しています。
監査を行う監査人は監査の結果に対して責任を負うため、監査人には厳正な監査を行うモチベーションが生まれます。
監査は理論上企業活動を正す役割を果たしていますが、必ずしもうまく機能するわけではありません。
たとえば上場企業は財務諸表については会計監査を行う義務があります。
東芝等の大手企業で発生した粉飾決算は会計監査が機能しなかった事例です。
最近のビッグモーターやジャニーズ事務所に関連する報道は、内部監査メカニズムが機能していなかったことを示す事例です。
内部監査の場合、名目上は独立性を保った組織として設定されていても、
長期的に勤務し、移動があることを前提とした組織体制であれば、マネジメント層の意向を忖度してしまうため監査が厳正に行われないことがあります。
外部監査の場合は、他社に監査を切り替えられるという暗黙のプレッシャーを顧客から受けて(または暗に感じて)、
都合の良い結果を報告してしまうということが生じるようです。
この世界は完璧なところではないのですが、経営層の経営に関する考え方や姿勢が監査の役割を果たせるかどうかに大きな影響を与えるといえそうです。
特に新興企業の場合は、社長があらゆることを決定するガバナンスのない状態から成長するため、
IPO後も、形のみ整っているのに実際の体制移行がうまく進んでいないことが多くあります。
ただ、一つ言えることは、監査を通じて企業活動を正せるようにしていないと、長期的には非常に大きなダメージをもたらすということです。
東芝は重要な事業を切り売りして往年の勢いを失ってしまいましたし、ビッグモーターは今回の不正で会社の存続が危ぶまれる状況に陥ってしまいましたし、
保険業務でビッグモーターと関係が深かった損保ジャパンでは社長が辞任するという事態に追い込まれてしまいました。
ジャニーズ事務所の件では大手企業による契約の打ち切りが次々と発表され、こちらも存続が危ぶまれる状態です。
ピータードラッカーは「企業は社会の公器」であると述べていますが、どこかで企業として成熟し、
その認識を持つ必要が生まれる時が来るのだろうと思います。
プライバシー、セキュリティ、AI、すべて監査を行う活動です。
監査を行うときは、長期的な視点を持ちつつ行うということを心掛けていただければと思います。
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