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~ データ利活用の「思いやり」と「配慮」 ~
最初にお知らせです。
10月27日(金)にLinkedIn上で欧州のSCCsとASEANのMCCsの比較をテーマとしたウェビナーにパネリストとして参加します。
最近は海外から声をかけていただく機会が増えていてとてもうれしく思っています。
またウェブサイト等で周知しますので、お時間が合う方はご視聴ください。
この原稿は、新聞でも取り上げられていた国連のインターネットガバナンスフォーラム(IGF2023)の会場で書いています。
IGFは国連の会議だけあってSDGsを軸とした議論が行われており、他の会議よりもインクルーシブ(inclusive)であることに重きが置かれている気がします。
参加者も、いわゆる「途上国」と呼ばれる国からの方が他の会議と比べてはるかに多くいます。
インクルーシブという言葉は日本語にしにくい言葉ですが、私は「思いやり」や「配慮」という言葉が近いのではないかと思います。
国連は、先進国の理論を取り上げるだけではなく、途上国を含めた世界全体の前進を意図しているのでしょう。
議論の複雑さは増すものの、とてもよいアプローチに感じます。
先進国が優れていて途上国が劣っているという見方はもちろん誤りです。
どんな国にでも優れた専門家やリーダーがいます。
IGFでも国境を越えたデータ移転を飛行機に乗ることに例えて説明していた優れた専門家がアフリカにいました。
構造的な課題が優れた専門家の活躍や途上国の発達を阻害するケースが多くみられるため、
国連はその障害をいかに取り除き、活躍すべき人や国が活躍できる環境を整えようとしているのです。
ところで、最近の日本は「思いやり」や「配慮」について感度が低くなっているように感じないでしょうか。
特にデータ利活用については、「利活用を推進する」という産業界と政府の号令の下、
データに付随する「人の権利」(人権)への配慮を欠いた取組が散見されるようになりました。
リクナビの内定辞退率の件もそうでしたし、最近報道された埼玉県の鷺宮中学校が行っている生徒のリアルタイムモニタリングの取組もそうです。
(後者の取組はLinkedInで紹介したところ、とても大きな反響を専門家の間でうみました。予想した通り、肯定的な意見は見られませんでした。)
データの先に「人」の顔が見えていない取組が公然と行われ実施している人がその問題に気が付いていないのみならず、
政府が法律の執行を控えることでデータ利活用の後押しを続けているという状況は心配になります。
そんな日本が国際社会でAI倫理について「人間中心のAI」(Human-centric AI)を率先して提唱してきたというのは、皮肉なことです。
先日、私の子どもが参加しているバスケットボールの市内大会で、あるチームが100点以上の大差をつけて相手チームを負かしたという出来事がありました。
小学生のチームの大会では高学年の選手がいるかいないかでまったく結果が変わってしまいます。
100点以上の点差をつける勝ち方はしないという暗黙のルールがあったのですが、
そのチームの指導者は「勝つこと」に重きをおいて一方的に得点を取り続けてしまったようです。
これもまた、「思いやり」や「配慮」にかけた行動です。
勝ったチームは、結果的に非難にさらされることとなりましたし、負けたチームの選手はバスケットボールへの興味を失ったかもしれません。
「勝つことが一番大切だというチームが最近増えてきて、問題になっている」と子どものバスケットチームのコーチは言っていました。
それを聞いた時、日本の今の雰囲気がここにも表れているのかもしれないと感じました。
「思いやり」や「配慮」にかけていることは、だれも幸せにしません。
ビジネスの現場におけるデータ利活用についても、これは同じです。
コンプライアンスやリスク評価は、「負の側面を強調する」ためのものではありません。
コミュニティが、社会が、バランスを保つために必要な「思いやり」や「配慮」を確認するための活動だということを再認識したいものです。
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