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【読み物】2019年のMust-Readの論文

次回の東京でのknowledgeNetは12月19日です。勉強会と忘年会を兼ねて実施しますのでぜひご参加ください。

12月19日(木) 17:30集合 忘年会会場へは18時に移動

<トピック>

  • how to ensure the necessary staff and budgets for privacy operations (プライバシーに関連する予算確保の方法)
  • principles of governance for privacy compliance in global organizations (グローバルな組織でのプライバシー・ガバナンス)
  • how to collect the latest privacy information (最新情報の収集方法)

テクニカ・ゼン株式会社では会員制データ・プライバシー情報サイトを開始しました。こちらの有用情報で記事を更新していますので、ぜひ、ご訪問・ご登録ください。

Future of Privacy Forumが”This Year’s Must-Read Privacy Papers: FPF Announces Recipients of Annual Award“を公表しました。この1年間ででた良質のプライバシーに関する論文を掲載しています。

早速

Antidiscriminatory Privacy by Ignacio N. Cofone, McGill University Faculty of Law

を読みました。差別を防ぐための方法としてsensitiveな情報をブロックすることが行われていますが、同じアプローチが全く反対の結果を生むことがあります。

例えば、オーケストラのオーディションではだれが引いているかわからないよう、敷居をたてて演奏した結果、女性の採用率が約50%上昇したという結果がある一方で、就職応募用紙から「犯罪履歴がない」というチェックボックスがある場合、白人は類似履歴の黒人と比べて7%多く採用を進める連絡をもらいましたが、チェックボックスをなくすと、今度は45%も多く採用に進めたという結果があります。

この結果から、単純に差別につながる可能性のある情報を遮断すればよい、というわけではないことがわかります。

この論文は、差別を防ぐために有効なプライバシー・ルールの設定の仕方を考察していますが、その考察の緻密さも見事です。久しぶりに読み応えのある論文を読みました。

私は今年は全部読んでみようと思っています。それぞれの具体的な発見事項はLinkedinで(英語ですが)シェアしています。みなさんもぜひ、年末年始の楽しみに読んでみてください