【読み物】折衷案の落ち着くところ

各国の最新データプライバシー動向は、会員制データプライバシー情報サイトにて公開しています。

<お知らせ1>

次回のIAPPのknowledgeNet Tokyoの予定は1月28日(火)です。Data Privacy Dayにあわせたネットワーキングを行う予定です。

<お知らせ2>

情報機構様とのセミナーが3月にまた開催されます。目次を見ていただければわかりますが、最近のトピックをほぼすべて網羅しているものなので、最新情報を知りたい方にはまたとない機会でしょう。この内容でこの値段は、大変お得です!ぜひご参加ください。

<国内外の法令を踏まえた>
データ・プライバシー対応超入門
~データを武器にビジネスを行う企業がいま対応すべきこと/対応せねばならぬこと~

<トピック>

●日時 2020年3月23日(月) 12:30-16:30
●会場 [東京・王子]北とぴあ9階901会議室 →「セミナー会場へのアクセス」
●受講料 1名41,800円(税込(消費税10%)、資料付)
 *1社2名以上同時申込の場合、1名につき30,800円
      *学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。→「セミナー申込要領・手順」を確認下さい。

※ 講師割引もありますので、ご希望の方は当社まで直接ご連絡ください。

テクニカ・ゼン株式会社では会員制データ・プライバシー情報サイトを開始しました。こちらの有用情報で記事を更新していますので、ぜひ、ご訪問・ご登録ください。

会員制サイトではアメリカの連邦法のドラフトをまとめているのですが、COPRA同様長大なため、少し時間がかかっています。ご迷惑をおかけしますが今しばらくお待ちください。

今年も残すところ少なくなってきました。年末にかけて、個人情報保護委員会が重要な資料をいくつか出しています。どれもなかなか意欲的なもので、興味をもって注視していますが、気になるところはOECDガイドラインを基礎としながらも、欧州とアメリカとの折衷案を目指しているのではないか、という印象がある点です。安部首相はこれまでもバランスをとる、間を取り持つということを繰り返してきましたが、そのスタンスが日本の立場に現れているのかもしれません。

折衷案というのは、しばしば「いいとこ取り」のアプローチで、「丸くおさめる」ことを目的とすると、その背景を加味しないうわべだけのものとなることが当然の帰結として待っています。これは、結局は抜本的な対策を打たずに先延ばしする対応となります。目先の利益にとらわれ、グランド・デザインがないとそうなります。今はグランド・デザインを描くこと自体が困難な時代であることを加味しても、日本の指導者層にグランド・デザインを描く能力をもった人はいなさそうです。皆、経済一辺倒ですね。

データ・プライバシーについても寂しい状況です。データ・プライバシーを扱っている弁護士さんたちや新聞の報道を見ても、倫理的な観点から議論しているものはほとんど見られません。特に子供のデータ・プライバシーに関する議論は日本では驚くほどありません。何をしたら怒られないかを考えている人は多くいても、なぜプライバシーが大切なのかということを考えている人が少ないのでしょう。

私たちは幸せになるために社会を作り、幸せになるために仕事をしているはずです。倫理とは、人が安心して過ごせるためのルールのことです。国や歴史によって異なって当然しかるべきものです。そういった異色なものを内包しつつ、違いを超越するから国際協調もうまくいくのです。倫理的な側面からのアプローチも重要ではないでしょうか?