【読み物】仕組み構築の勘所

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データ・プライバシーには立ち上げのステップ(0→1)とメンテナンスのステップがあります。データ・プライバシーの外部コンサルタントが関わることができるのはこのうちの前者であり、0→1の部分です。メンテナンスはコンサルティングというよりも共に創るスタンスとなるため、助言ベースとならざるを得ません。

われわれコンサルタントは、0→1では、組織にBest Practicesといわれるものを提供します。この完成度がコンサルタントの腕の見せ所です。厳密すぎても運用できませんし、大雑把過ぎても発散してしまいます。各組織が運用できるレベルで提供できるのが、よいコンサルタントの仕事といえるでしょう。このステージで基礎をしっかり作っておけば、そう簡単に崩れることはないため、非常に重要な部分です。勉強でも教科書や例題が最も大切なように、ビジネスや組織運営でも基本が最も大切なのです。

運用については、ケース・バイ・ケースで行ないます。

運用は”Skeleton in the closet”があらわになる部分なので、本当は内部の人間だけが行うほうがよいと思います。しかし、自分たちで運用するためには、運用できるまでのサポートが必要なのも確かであり、悩ましい部分かと思います。データ・プライバシーではコンサルタントがクライアント企業に就職しているケースが多く見られますが、その背景には、運用ノウハウが無いため0→1の支援だけでは組織が運用しきれないという課題があるからです。

とはいえ、ここもコストやリソースの問題があり、自社で模索することになるお客様も数多くいます。(経営の視点からみるとこれが最もコストのかかる方法なのですが、リスクの選好度によって決まる部分なので、経営判断が重要となります)

自社で運用方法を確立する場合、オススメの方法は、できるだけ情報を集めることです。業務方法なので情報は表に表れにくいという特徴がありますが、各社似た悩みを抱えながら取り組んでいるというのが実情です。悩みがあるところには知恵があります。知恵を共有しながら前進するという取り組みが効果的です。

それから、ケーススタディを行なうのもよいでしょう。ケーススタディでは、「基礎」の部分で想定されていなかった事象が発生したときにどう対応できるかまで考察できると良いですね。組織の強さは、想定外の事象が発生したときに現れます。現実は教科書どおりには進みません。想定外の事象が発生すると、学歴も知識も関係なく、人としての度量と覚悟が試されます。運用を担う人は、リーダーであることが求められます。変わりつづける環境の中で、臨機応変に対応する能力が運用を行なう担当者の腕の見せ所です。

データ・プライバシーの仕事は「良い」仕事だと思います。Social Goodを実現するためのdriverとなっていることは間違いありません。ぜひ、誇りを持って取り組んでいただきたいと思います。